映画Dris Van Notten

この美しい世界観の着想源は?

ドリス・ヴァン・ノッテンのショーを見る度、溜息と共に首をかしげておりました。

上映中に見逃してしまったドリス・ヴァン・ノッテンのドキュメンタリー「ファブリックと花を愛する男」。恵比寿のガーデンプレイスの中庭、真夏の夜、ピクニックシネマにて...やっと観ました!

場所柄かファッション・ピープルも居て、目で追いたくなるお洒落な方が。

こちらのガーデンピクニックは7月26日~8月25日週末にかけて Kino Iglu(キノ・イグルー)プロデュースで開催。無料で観れるとあって人気で座れず柵の縁に腰掛けましたが、心地よい風が吹いていて終始、快適でした。(あとから判りましたが送風機のお陰でした)。

各々の食べ物飲み物を持ち寄り、リラックスムードの中、映画がスタート。

ドリス・ヴァン・ノッテンはベルギーアントワープシックスの一人。

取材嫌い、職人気質、表に出るのを嫌うデザイナー。

そんなドリスはやはり独特のムードを持ち、生地を並べては次のコレクションに向けて選別。モデルをトルソー替わりにコラージュするように布当てていき、生地遊び。プライベートもパートナーの彼がぴったりと側に付きます。

愛犬も登場しますが、きっとこんなハードワーカーには付き合いきれないでしょう...寝ているシーンがフッと笑わされました。

映画ではメンズのコレクションがフォーカス。フォトシューティングよりもやはり完成に至るまでの生地選びや分量計算、シルエット等、プロセスが印象的。あるコレクションではテーマを決めてプリント生地を作ったり、ファブリックに至るまでの工程も出てきます。

自宅を使ったりスタジオだったり広いスペースに山ほどの布地を並べて、じっくりと見ていきます。

一つのコレクションが終われば、また次のコレクションとファッション業界にいると、「休み」という単語を忘れます。映画でもメンズレディース共に発表しているシーズンがあり、やはり多忙極まりない状態がありましたが、それでもプライベートのドリスに焦点を当てています。(気難しいデザイナーを等身大で自然に撮る、難しい撮影だったそうです。)

言語は英語ですが、終始落ち着いた空気感を纏っていて、きっとその雄大さはあの広大で美しい庭から培っているのだと思いました。またドリスの作る洋服から放つ独特の色は、彼にとっては身近な自然美であることが解りました。

布地は植物のモチーフ柄だったりとても魅力的。映画中、素敵な生地!と思っているとまたその上に生地を重ねたり、ここにはこの生地を差し込もうと試行錯誤しているシーンが有りましたが、私的には1枚でも素敵な布を何とも贅沢使い...とよだれ状態でありました。

映画の最後はデザイナー念願のオペラ座で行った2016-17年秋冬のメンズが登場しますが、より世界観の解りやすい同年秋冬と2017年春夏レディースのショーを貼っておきます。